矯正歯科選びのポイント
SNSの広告から見る「歯科医院選び」のポイント
矯正治療を検討されるとき、インターネットで情報を調べると、魅力的なキャッチコピーが数多く目に飛び込んでくることでしょう。
「実績No.1」「業界最安値」「月々◯◯円から」「インビザライン専門医」「手軽にできるマウスピース矯正」――。
しかし、その言葉の裏にある「本当の意味」を、患者さまはどれだけご存じでしょうか。
歯ならびは一生もの。
だからこそ、私たちは耳ざわりの良い言葉ではなく、矯正専門医として誠実な情報をお届けしたいと考えています。
広告で「実績No.1」「奈良で唯一の◯◯」といった表現を見かけることがあります。
しかし、その数字や肩書きが何を根拠としているのか、明確に示されているケースはほとんどありません。
これらは、客観的な第三者機関が評価したものではなく、何らかの限定的な条件をつけて自称しているに過ぎないケースがほとんどです。
そして、長年この業界に身を置いて感じることがあります。
本当に技術のあるドクターほど、自ら「私が一番です」とは言わないということです。
技術は患者さまの口の中の結果として現れるもの。
誇張した宣伝文句よりも、実際の症例・治療方針・専門医としての研鑽の積み重ねこそ、信頼に足る判断材料だと私たちは考えています。
「インビザライン専門医」「インビザライン認定医」という肩書きの真実
ホームページや広告で「インビザライン専門医」「インビザライン認定医」という肩書きを目にされたことはありませんか。
実は、患者さまにぜひ知っておいていただきたい事実があります。
「インビザライン専門医」「インビザライン認定医」という公的な資格は、存在しません。
これらは、矯正歯科を専門に学び、学会から認定を受けた「矯正歯科専門医」「矯正歯科認定医」とはまったく別物です。
インビザラインはあくまで一企業(米国アライン・テクノロジー社)が販売しているマウスピース型矯正装置の商品名であり、歯科医師であれば、インビザライン社に費用を支払って所定の講習を受ければ、誰でも取り扱えるようになるものです。
つまり、矯正の専門教育を一切受けていない歯科医師でも、講習さえ受ければ「インビザラインドクター」として治療を行うことができてしまうのです。
「専門医」「認定医」という響きから、矯正の高度な専門資格を持つドクターだと誤解されがちですが、実態はまったく異なります。
肩書きの言葉に惑わされず、その先生が本当に矯正の専門教育を受けてきたかどうかを、ぜひご確認ください。
「どこの大学の矯正の医局にどのくらい在籍していましたか?」と聞けば、専門医であればすぐに教えてくれるはずです。
「月々◯◯円から」「安い矯正」という言葉に潜むリスク
「月々3,000円から始められる矯正」「業界最安値の矯正治療」――こうした金額の安さを前面に出した広告も増えています。
たしかに費用は大切な検討要素です。
しかし、歯ならびは一生ものです。
一度動かした歯、一度形作られた噛み合わせは、その後の人生数十年にわたってあなたの健康を左右します。
そんな一生を支える治療を、価格だけで選んで本当に大丈夫でしょうか。
「安い」には必ず理由があります。
使用する装置の質、ドクターの経験値、診断にかける時間、アフターフォローの充実度――どこかが削られているからこそ、その価格が実現しているのです。
後から「やり直したい」と思ったときには、すでに歯は動かされた後。
ケチるべきところと、ケチってはいけないところがあるのです。
「安いマウスピース矯正」の注意点
マウスピース矯正は、見た目に目立たず魅力的な選択肢ですが、ドクターがどれだけ正しい知識と経験を積んでいるかで、治療結果に大きな差が出る治療法です。
診断力、シミュレーション設計の精度、調整のタイミング――どれもドクターの実力に直結します。
加えて、マウスピースの製作は技工所へ外注するため、装置自体に一定のコストが必ず発生します。
にもかかわらず極端に安価で提供されている場合、そこには何らかのからくりがあるかもしれません。
診断の簡略化、症例の限定、フォロー体制の不足――そのしわ寄せは、最終的に患者さまご自身が受けることになります。
「手軽にできる矯正治療」という幻想
「手軽に」「気軽に」矯正できる――これも要注意のフレーズです。私たちはあえて申し上げます。
矯正治療は、手軽にするものではありません。
歯を動かすということは、骨を作り変えるということ。装置を入れて待っていれば歯がきれいに並ぶ、という単純なものではないのです。患者さま自身に生活習慣を見直していただき、装置の管理、清掃、通院に真剣に取り組んでいただいて、はじめて良い結果が生まれます。私たちドクターは、その歩みを伴走するパートナーにすぎません。「手軽にできる」とうたわれているものの中には、治療と呼ぶべきものではなく、その場しのぎの審美的処置にすぎないことがあるということが実情です。
ローコストマウスピース矯正(矯正専門医を通さないマウスピース矯正)の本当のリスク
近年、サブスクリプション型のローコストマウスピース矯正が広がっています。
しかし、矯正治療の本質は「奥歯の噛み合わせから整えること」にあります。
奥歯がしっかり噛み合ってこそ、前歯のきれいな並びは長持ちし、一生使える歯ならびになるのです。
ところが、ローコスト型のマウスピース矯正の多くは、奥歯を動かすことができません。
前歯だけを揃えて見た目を整えるため、土台となる噛み合わせは置き去りのまま。
一見きれいに見えても、数年後にほころびが出始める場合があります。
そのほころびはやがて、肩こり・頭痛・顎関節の違和感といった不定愁訴となり、最終的には矯正専門医を何軒もはしごする結果につながっていきます。
そうした患者さまを、私はこれまで数多く拝見してきました。
「もっと早く本格的な矯正をしておけばよかった」と後悔される姿を何度も目にしてきたからこそ、これから矯正を考えておられるあなたには、同じ道を歩んでほしくないのです。
セカンドオピニオンのススメ
もし今、あなたが検討しているクリニックが「安さ」や「手軽さ」、「メーカーのランク」ばかりを強調しているなら、一度立ち止まってください。
私たちは、あなたの歯の健康を守るための「最後の砦」でありたいと考えています。
不安なこと、疑問に思うことがあれば、どんな小さなことでも構いません。
いつでもご相談ください。
真実の矯正治療について、誠実にお答えすることをお約束します。
矯正治療は、一生に一度でいい
最後にお伝えしたいことがあります。
私がここに書いたことは、他院を批判したいためではありません。これから矯正治療を始めようとされている方に、どうか後悔のない選択をしていただきたい——その一心です。
矯正治療は、一生に一度で十分であるべきです。
やり直しのために再び痛みと費用と時間をかけるのではなく、最初の一回で、生涯あなたを支える噛み合わせと歯ならびを手に入れていただきたい。
そのために必要なのは、安さでも手軽さでもなく、肩書きの華やかさでもなく、確かな診断と、矯正専門医としての誠実な治療です。
当院では、短期的な見た目の変化だけでなく、長期的に安定し、健康を維持できる咬み合わせを重視しています。
患者さん一人ひとりの状態に合わせた診断と治療計画を丁寧に立て、「なぜこの治療が必要なのか」をしっかりご理解いただいたうえで進めていきます。
矯正治療は決して安価なものではありませんが、それは“高いから良い”という意味ではなく、“適切な価値があるかどうか”が重要です。
将来にわたって後悔しない選択をしていただくために、表面的な言葉だけで判断するのではなく、治療の本質に目を向けていただければと思います。
当院は、患者様お一人おひとりの一生に責任を持つ矯正治療をお届けします。
すべての患者様に、後悔のない選択を。
治療費の設定から見る「歯科医院選び」のポイント

矯正治療は、自費扱いになりますから、治療費は各医院によってさまざまです。日本全国どこでも同じ保険適用の治療のようにその時施した処置に対して費用を支払うというものではなく、矯正専門医の医院では、今の歯並びを治すのにいくらかかるかというような比較的大雑把なものが一般的です。例えば、治療全体を通じて基本施術料というような名目で数十万円、それとは別に来院毎にかかる装置の調節料数千円、これらの合算が実際にかかる費用になるというものや、治療終了までで総額いくらでお引き受けしましょうというものです。一般歯科の先生が矯正治療をしている医院では、この装置はいくら、別の装置はいくら、調節料はいくらというような保険システムに似た形態をとるところが多いと思います。 実は、この料金システムでは保険治療と同じように下手な人が治療を行う程もうかるという事になります。浅学な人が術者として治療を始め、最初この装置でやってうまくいかず、次に別の装置で同じ目的のことをする、そのたびに患者さんは装置料や調節料を支払うことになり、これでは患者さんは踏んだり蹴ったりですよね。実際、長い間開業していますとこういうことを不満、不審に思い相談に来られる方が何人かいらっしゃいました。一方専門医でよく採用する上記の二つのシステムですが、よくよく考えるとこの二つのシステムのどちらを採用するかで術者の技量、臨床経験、知識の深さ等が問われることになるのがわかります。以下、説明しますと、 患者さんが自費治療である矯正治療を始めるにあたって最も知りたいことの一つは、いったい治療費は総額でいくらになるかという事だと思います。初めに基本施術料(治療全期間に用いる装置の費用等)と来院毎に支払う調節料がある形態のものは、治療費総額の計算式は、
{初診相談料}+{検査、診断料}+{基本施術料}+{調節料}x{来院回数}+{観察料}x{来院回数}
となります。もちろん上のOO料は医院によって異なる額です。治療費総額を知るには{来院回数}が決まらなければ治療費総額が決まりません。この{来院回数}を治療開始前に決めることは、術者の技量、経験の深さにかかわってきます。技量、臨床経験が浅ければ、今治療しようとしている症例の治療期間がどれぐらいかかるかということを、かなりの精度で予想できるものではありません。{来院回数}を少なめに見積もると総額が少なくなり、患者さんを治療開始の方向に誘導することになります。多く見積もれば逆に振れます。医院とすれば、少なめに見積もろうとするのが人情でしょう。たいがいの場合は、実際治療をすると予想回数より多くなるのが実情ですから、患者さんの立場としては、予想回数を超えてきた場合一体いつ終わるのか、あとどれくらい治療費を払わなければならないのか、そのような不安が出てくるのも当然でしょう。ですから開始前に必ずこのような質問をされたらいかがでしょう。 「実際、治療をして予想の{来院回数}を超えた場合は、以降の調節料はどうなりますか?」と。 かえってくる答えが「超えても払っていただきます。」であれば、開始前の{来院回数}の数字は全く無意味になり、術者の責任逃れのようにも思えてきます。術者がどんくさいことをして来院回数が増えたとしても、それは患者さんの負担となるということで、患者さんにとっては割に合いません。また上のような「いつまで治療費を払わないといけないのだろう。」という不安が将来起きてくることは十分あり得ます。一方、「払う必要はありません。」という答えであれば、治療費見積もりの時点で治療総額が決定します。となると、医院の立場からすれば、経営的に見て予想回数を守るようにできるだけ効率よく治療を進めようとしますから、患者さんにとっても無駄のない治療が、治療費の面でも安心して受けられることになります。次に、治療開始前に治療費総額を提示する場合は、上の「払う必要はありません。」と同じになります。もし、術者の見込み違いで治療が長引いた時は、それは医院側の責任であって、患者さんには長引いたことに対して申し訳ない気持ちを持ちつつ、これをご理解いただいて、以後の治療を粛々と進めていくという事になります。当院ではこの総額制を平成20年4月から採用しております。額の決め方は、まず標準的な症例の治療を基準(治療期間2年)にして対象症例の難易度(治療期間)を初診相談時、あるいは初回検査後に判定します。標準的な症例に対して難しい症例や難しい方法、治療方針で行った症例は、当然治療期間が標準的な症例より長くなりますから、その分治療費が上乗せされます。具体的に言いますと、標準的な症例は治療期間2年として総額60万円(ただし初診相談料、初回検査、診断料は除き、消費税は含まれておりません。)と設定しています。治療期間がおおよそ1年延びると判定した場合は、6万円上乗せされます。これは、何度もいますが治療開始前に決定されますから、治療中や治療後に変わることはありませんので、ご安心ください。上記の事は、中学生以上の永久歯がすべて萌出した症例を想定しています。成長期に開始する小学生では、総額は基本変わりませんが、まず第1期治療として永久歯がすべて生えそろうまでにやっておかなければならない処置を行い、この時の治療費として総額の40%、永久歯がすべて生えそろってから行う第2期治療で残りの60%請求させていただくことになっています。
以上、治療費に関しての諸々をお話ししましたが、今この記事をお読みになっているのは、どこで治療を受けようかと思い歯科医院の様子を知るためだと思いますが、医院選びで考え方のヒントをお話しますと、決して治療費の額だけでお決めにならないように、また術者の技量をできるだけいろいろな手段を用いて探ってください、ということです。治療費というものは、地域によって相場というものがあります。高すぎると思った時、安すぎると思った時、これは何かあると感じてください。高すぎる場合は、何か不必要なものに費用を払っているかもしれませんし、あるいはただ単にぼったくられているだけかもしれません。安すぎる場合は、根本的に治療の内容やレベルが違っていることがあります。この場合は、治療の最終目標は何か、どこまでが治療の対象となっているのか、それがあなたの希望していることに一致しているのか、あるいは本来の矯正治療の目的に合致しているのかを治療開始前に明確にしておく必要があります。(矯正治療の目的は、永久歯咬合を形の上からも、働きの上からもまた、見かけの面からも望ましい姿にすることと考えています。)
インフォームドコンセントという言葉をご存じかと思います。医療を施す側が患者さんに治療の説明をするとき、簡単に言えば「よく説明し同意を得てから開始する」ということですが、もう少し詳しく言いますと、検査や診断の話の後、具体的に治療方法を説明しこの時、一つの治療を説明した後に、代替案を提示しそれぞれの方針に対する長所短所、それをした時の得失、しなかった時の得失を説明しなければならない、というのがあります。こういった説明の仕方は、その病気に対して深い理解がなければできません。矯正治療の場合はどうでしょうか。例えば初診相談時、「歯のがたつきがあります。治療法として小臼歯を抜いて治療をしないと治りませんね。」これだけ言われて、「はいそうですか」で終わってしまう初診では、インフォームドコンセントの概念に則った説明とは言えません。矯正学に深い理解があり、治療経験が豊かで、技術も確かであれば、「別の方法として‘’‘‘‘」、というように話が発展していかなければならないと思います。初診相談でどのような話が聞けるのか、こんな視点で受けるのも一つの方法かと思います。
このページをお読みになって、ホームページの見方しだいでその歯科医院の矯正治療のレベルが概ねわかるという事を理解していただけたのではないかと思います。この記事が、「矯正治療の歯科医院選び」の上で参考になったのであれば幸いです。治療を施す者として最後に言いたいことは、「どうか賢い患者さんになってください、また悔いのない治療を受けてください。」ということで、このことを切に願っております。 スマートな患者さんに幸あれ。
矯正治療をご検討の皆さまへ ~安心して治療を受けていただくために知っておいてほしいこと~
そのため、治療費は医院によってさまざまです。虫歯や歯周病のように「その都度の処置に対して費用が決まる」という保険診療とは異なり、矯正治療の場合は「今の歯並びを治すには、いくらかかるか」という形で費用が決められているのが一般的です。
矯正治療の料金体系には大きく分けて2つあります。
1. 基本施術料+来院ごとの調節料
最初に「基本施術料」として数十万円の費用があり、さらに通院のたびに数千円程度の「調節料」がかかる方式です。
これに初診相談料や検査・診断料、観察料などが加わり、以下のような計算式で総額が決まります:
治療費総額 = 初診相談料 + 検査・診断料 + 基本施術料 + 調節料×来院回数 + 観察料×来院回数
この方法では「来院回数」によって総額が大きく変わるため、治療前の予測が非常に重要になります。
2. 総額制(トータルフィー制)
治療開始前に「治療終了までの総額」を提示し、それ以降は追加費用が発生しない形です。予測外に治療期間が延びた場合でも、追加料金は発生せず、医院側が責任を持って治療を完了させます。
この方式では、医院の治療計画と経験、技術力が問われます。だからこそ、患者さんにとっては「治療費がはっきりしていて安心できる」「無駄な通院が減る」などのメリットがあります。
当院では、平成20年4月から総額制を採用しています。
標準的なケース(治療期間 約2年)での費用は64万円(税込・初診相談料・検査診断料は別途)です。
治療開始時に症例が難しい、治療期間が長くなる可能性があると判断された場合は、あらかじめお伝えした上で、基準費用に加算させていただいて治療をスタートします。もちろん、これらは治療前にご説明し、同意をいただいてから進めます。
また、小学生など成長段階で始める矯正の場合は、以下のように段階を分けてご説明・ご請求しております:
• 第1期治療(乳歯と永久歯の混在時期)…総額の50%
• 第2期治療(永久歯がすべて生えそろった後)…残りの50%
賢い患者さんになるために知っておいてほしいこと
• 「なぜこの装置を使うのか」
• 「他の選択肢はないのか」
• 「もし治療が長引いたらどうなるのか」
このようなことをしっかり説明してくれる医院こそ、信頼できる医院といえるでしょう。
最後に…
どうか、治療費だけで判断せず、ご自身にとって本当に安心できる医院をお選びください。
そして、どうか**“賢い患者さん”**になってください。
あなたの笑顔のために、私たちは誠実に、全力でサポートいたします。








