昨日の初診相談で、こどものいびきを心配されている親御さんがいらっしゃいましたので、私の考えを共有させていただきたいと思います。

お子さんが眠っているときに「いびき」をかいていませんか?

実は、子どものいびきは大人のように「よくあること」ではなく、体からの注意のサインかもしれません。

 

いびきの原因のひとつに「歯ならびの土台(あごの骨)がせまい」ことがあります。あごが小さいと歯がきれいに並ぶスペースが足りず、「歯列に対して舌が大きい」状態になりやすくなります。そのため、眠っているときに舌がのどの奥に落ち込み、気道がせまくなっていびきが出やすくなります。

 

ここでいう「気道」とは、鼻や口から取り込んだ空気が肺まで届くための“空気の通り道”のことです。空気がスムーズに通らないと、いびきや睡眠中の呼吸の乱れにつながります。

 

さらに、「鼻づまり」も大きな原因のひとつです。風邪だけでなく、アレルギー(アレルギー性鼻炎など)があると慢性的に鼻がつまってしまい、口で呼吸する習慣がつきやすくなります。寝ている間に口を開けてしまうと、下あごが後ろに下がり、さらに気道がせまくなってしまいます。日中も口がポカンと開いている「お口ポカン」が続くと、風邪をひきやすくなったり、歯並びの乱れにもつながることがあります。

 

子どものいびきは「音がうるさい」というだけではありません。眠っている間にしっかり酸素が取り込めないことで、脳や体の成長に影響が出ることもあります。特に「顔の発育」や「体の健やかな成長」にとって、質のよい睡眠はとても大切です。

 

 

当院での取り組み

 

当院では、お子さんのいびきやお口ポカンに対して次のようなサポートをしています。

 

歯ならびの土台を広げる治療

取り外しができる装置では効果が足りないことも多いため、より確実にあごを広げる方法を用い、気道のスペースを広げていきます。

 

舌のトレーニング

舌の正しい位置や動きを練習することで、鼻呼吸をしやすくし、いびきを減らす効果を目指します。

 

耳鼻科との連携

鼻づまりや扁桃腺のはれ、アレルギーなどが関係しているときは、耳鼻科の先生と協力して治療を進めます。

 

おうちでできる工夫のアドバイス

寝る姿勢や睡眠時のお口の閉じ方など、毎日の生活で取り入れられる簡単な工夫もお伝えします。

 

もし「いびきが気になる」「お口がポカンと開いている」など心配なことがあれば、ぜひ一度ご相談ください。早めに対応することで、お子さんの健やかな成長と安らかな眠りを守ることができます。