ダイレクトプリントアライナーのセミナーに参加してきました。

ダイレクトプリントアライナー (LuxCreo)

​ダイレクトプリントアライナーとは、3Dプリンターを用いてアライナー(マウスピース)を直接製造する技術、またはその製品を指します。

​インビザラインに代表される従来のマウスピース型矯正装置は、まず3Dプリンターで歯の模型を製作し、その模型に対してシート状の素材を加熱・吸引(または圧着)させることで成形する、という手法で作られています。

​ダイレクトプリントアライナーのメリットは、この模型を製作する工程が不要なため、廃棄物(ゴミ)の削減に繋がり、環境負荷が低い(地球に優しい)点です。

また、従来の吸引・圧着タイプとは異なり、アタッチメントなどの複雑な形状も精密に再現できるため、適合性に優れたアライナーの製作が可能です。これにより、治療期間の短縮にも繋がると考えられます。

​一見、ダイレクトプリントは利点ばかりのように思えますが、以前はアレルギー誘発性が大きな問題点として指摘されていました。

例えば、院内でアライナーを製作する際に適切な管理(特に重合や洗浄のプロセス)が行き届かず、未重合のレジンが装置に残留してしまうことがありました。これにより、一部の患者様が重度のレジンアレルギーを発症し、マウスピースが触れる口腔粘膜や皮膚が大きく腫れ上がったり、喘息様の症状を呈したり、非常に稀ながらアナフィラキシーショックを引き起こすケースが問題視されていました。

​今回のセミナーで紹介された「ラックスクレオ(LuxCreo)」のダイレクトプリントアライナーは、これらの問題(アレルギーリスク)をクリアし、生体安全性が非常に高いことが確認されています。そのため、従来のデメリットを克服し、メリットがはるかに大きいと私は感じました。

今後は、このラックスクレオのアライナーも選択肢の一つとして、自身の臨床に取り入れていきたいと考えています。