近年、マウスピース型矯正(アライナー矯正)は「目立たず快適に歯並びを整えたい」というニーズに応える新しい治療法として、日本でも急速に普及しています。
透明なアライナーを装着するだけで矯正が進むため、装置が目立たず、取り外しもできる。その利便性から多くの方が関心を持たれるようになりました。

しかし、普及の一方で深刻な課題もあります。
アライナー矯正は一見シンプルに見えますが、歯の動きの予測や咬合のコントロールなど、実際には高度な矯正学の知識と経験が求められます。
ところが、日本ではアライナー矯正を体系的に学ぶ教育体制や評価基準が十分に整っておらず、医師によって治療計画や技術の質に大きな差が生まれているのが現状です。
そのため、せっかく治療を受けたのに「思ったように歯が動かない」「噛み合わせが合わなくなった」といったトラブルに悩む方も少なくありません。
SNS上では「マウスピース矯正は治らない」という誤った情報が拡散され、正しい治療法が誤解されてしまうケースも見られます。

こうした状況を改善するために設立されたのが、アライナー矯正認証協会(ABAO:Association for the Board of Aligner Orthodontics)です。
ABAOは、国際基準に基づいた教育と評価を行い、日本国内のアライナー矯正の質を底上げすることを目的としています。
協会では、段階的な試験制度を通じて知識・技術を体系的に学び、客観的に評価される仕組みが整っています。
具体的には、筆記試験に合格して基礎理論を修得した「会員」から始まり、症例を用いた臨床試験を経て「準認証会員」、さらに複数症例の審査を通過した「マスター会員」へと進む明確なステップが用意されています。

私もこの理念に強く共感しており、今年末から来年初頭に予定されている会員募集に合わせて入会を予定しています。
これは、単に資格を得ることが目的ではなく、最新の知見を学び続け、患者さんにとってより安全で確実なアライナー治療を提供するための一歩です。

みやもと矯正歯科医院では、ただ歯を動かすだけでなく、「長く安定する咬み合わせ」と「自然で調和のとれた口元」を目指し、患者さんの将来を見据えた治療を大切にしています。
今後も国際的な基準に沿った安心・安全なアライナー矯正を提供できるよう、学びを重ね、技術を磨き続けてまいります。

これからも、皆さまが笑顔で矯正治療を楽しめる環境を整え、信頼できる治療をお届けしていきます。