Threadsを見ていてインビザラインファーストだけでの小児矯正で大丈夫なのかという投稿を見たので、私の考えを書かせていただきます。

 

私は小児矯正で一番大切なのは、単に「今ある歯をきれいに並べること」ではないと考えています。

 

子どもの矯正では、

・上下の顎の前後的なバランス(出っ歯・受け口など)

・これから生えてくる永久歯のためのスペース

・上顎骨や歯列の幅

・舌の大きさと、それに合った歯列の幅

・舌が正しい位置に収まっているか

・鼻呼吸や気道の状態

・これから起こる顎の成長

などを総合的に評価したうえで、「いつ、何のために、どの装置を使うのか」を決めることが重要です。

 

インビザラインファーストは非常に便利な装置ですが、あくまで治療目標を達成するための一つの道具です。

 

マウスピースによって歯列を広げることはできますが、歯の移動を主体とした拡大と、成長期に行う骨格的な上顎の拡大は同じものではありません。

 

私自身、年間に多くのお子さんを診ていますが、骨格、歯列幅、舌、呼吸などまで評価すると、インビザライン・ファーストだけですべての問題を解決できるお子さんは限られていると感じています。

 

特に注意したいのは、子どもの時に歯並びがきれいになっても、それで成長が終わるわけではないことです。

 

12歳前後以降も思春期性の顎の成長は続きます。

 

特に下顎の成長によって、それまで整っていた上下の噛み合わせが変化することもあります。

 

だからこそ、今の歯並びだけを見るのではなく、これからどのように成長するのかを予測しながら治療することが大切だと思います。

 

歯をきれいに並べることは、そのために必要な治療を行った後でも構いません。

 

その判断には、口の中を見るだけでは分からないことがあります。

 

私はセファログラムなどで上下の顎の位置関係や成長方向を確認し、必要に応じてCBCTなども用いて永久歯の位置や気道などを評価します。

 

矯正治療は「ワイヤーかマウスピースか」「どの装置を使うか」を決める前に、その子にとっての正しい治療ゴールを設定できているかが非常に重要です。

 

「歯並びはきれいになりました」で終わるのではなく、その先の成長まで継続して診てもらえることも大切です。
今通われている医院では、セファログラムなどを用いて骨格や成長について説明を受けていますでしょうか?
インビザライン・ファーストを使うこと自体が問題なのではありません。
「なぜ今この装置を使うのか」
「この装置で何を治し、何は別の方法で治すのか」
「成長終了までどのように管理するのか」まで説明してくれる先生かどうかを、ぜひ確認してみてください。
はっきり言って、このような考え方は矯正医なら当たり前の考え方です。
インビザラインが登場して便利になった反面、このようなことを理解されないで治療される医院も散見しているのが現在の日本の歯科業界です。
直ビと直ピはやめましょう。
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